苗場山周辺 三多古山(1297.9m) 2014年5月25日 デジカメ紛失のため写真無し  カウント:画像読み出し不能

所要時間 4:19 ゲート−−4:31 林道崩壊個所−−6:59 林道支線に入る−−7:15 林道を離れる−−7:46 三多古山(休憩) 8:44−−9:05 林道−−9:22 北に分岐する林道−−10:58 林道−−11:15 ゲート

場所新潟県十日町市(旧中里村)
年月日2014年5月25日 日帰り
天候薄曇
山行種類籔山
交通手段マイカー
駐車場ゲート手前に駐車場あり
登山道の有無無し
籔の有無林道を離れてからは残雪が無ければ灌木藪
危険個所の有無無し
山頂の展望北東側が開ける
GPSトラックログ
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コメント長〜い林道歩きの山。林道の雪が消えればバイク、自転車利用可。ただし標高差があるので電動アシスト自転車でないとかなり疲れそう。林道から山頂までは笹+灌木の籔だが距離が比較的短いので無雪期でも我慢できる範囲だと思う




 苗場山周辺は細かい山がいくつもあるが山頂付近の核心部以外はほとんど登られていないだろう。三多古山もそんなマイナーな山の一つで「みたこやま」と読む。苗場山裾野の北端に位置する。地形図を見ると近くまで林道マークが描かれていてこれを利用するのが常識的と思えるが、おそらくはこの林道は入口付近にゲートがあって長距離を歩かされると予想できた。よく考えたら2週間前の雁ヶ峰、高石山と合わせて登れば効率的だったし残雪が利用できたと思うが、三多古山だけやや離れた場所に位置するので考えに入れていなかった。ここだけ登るなら北側の林道入口から歩く以外に考えられない。

 その林道はどこでゲートがかかっているのか不明だが、最初から歩く覚悟で現場に向かった。県道から左に入る道がそれだが釣堀の案内があってそこまでは入れそう。まだ営業開始していない釣堀を通過してなおもゲート無し、思ったより得だ。うねうねとヘアピンカーブが連続し直線的に登ると平坦地が登場すると同時にゲートも登場。ここから歩きとなる。田代の七つ釜の観光客用駐車場らしいがキャンプ場とも書いてあって、水が出るか不明だが水道もあった。ここは広い駐車場があるので車を置くのに困ることは無い。

 林道歩きの時間は3〜4時間と見たので林道歩きだけで往復6,7時間はかかりそうだ。それと比較すれば林道から三多古山間の道が無い尾根は短いが、藪の程度は不明だ。2週間前は真っ白だったが今はかなり雪は消えているはずで、少なからぬ藪漕ぎが予想された。でも昨日の横山〜松ノ峰よりはマシだろう。

 施錠されたゲート横はバイク程度ならすり抜けられる隙間があり、実際にバイクのタイヤ痕が見られた。今の時期はまだ林道に雪が残った区間があるのでバイクは有効利用できないと思うが、無雪期の尾根藪漕ぎ覚悟なら強力な武器になるだろう。自転車も使えるだろうが標高差が大きいので登りで疲れてしまいそう。今の時代なら電動アシスト自転車が望ましいか。

 舗装された林道歩きはつまらないがしょうがない。ヘアピンカーブの連続で2つ目のカーブを曲がって3つ目のカーブの手前で林道崩落個所が登場。車の通行は不可能な幅しか残っていないが、バイクは通過可能なように山側を少し削って側溝には簡単な蓋がしてあった。派手に崩れているがこれを修理するのだろうか、それとも放置するのか分からない。その後は小さな崩落個所はあったが車が通行できないような場所はなかった。

 外ノ沢を越える前後で一時的にダートに変わったが再び舗装道路が復活。外ノ沢右岸尾根に乗ると大型の送電鉄塔に沿って歩くようになる。碍子の数は50個を越えていて間違いなく1000kV級(実際の送電電圧は500kVだったはず)の送電線だ。柏崎刈羽原発から首都圏へ電力を送るためのもの。こんなでかい鉄塔を多数山の中に作ったのだからえらく金がかかっただろう。この林道沿いに鉄塔が建っているので、たぶん鉄塔建設用に林道を造成したのだろう。

 標高820m付近で林道が分岐、目的の林道が大きく右にカーブするところは残雪で林道が埋もれていた。直進の林道は「盲腸」らしいので無視して右に上がっていく。尾根の西側に出ると雪は無くなって単調な林道歩きが長く続く。

 地形図では途中から尾根直上に送電線が乗るので、そこから先は尾根上に送電線巡視路があると予想され、この林道どこかに巡視路入口があるはずと考えていた。そこから尾根上に出られれば林道を歩くよりショートカットが可能だ。ところがどこまで歩いても巡視路入口が無い。そのうちに山側は法面が連続するようになり取り付き困難になってきた。残雪が見られるようになってきて沢沿いのみ雪が残っているが、ここは西斜面で雪解けが早いようで斜面には雪が無く潅木藪だ。いったい巡視路はどこから上がっているのだろうか。その答えは下山時に明らかになる。

 しょうがないのでこのまま林道歩きを続ける。1215.0m三角点m峰の西を回り込むので距離が長くなるのがいやらしい。外ノ沢左岸尾根にも送電線が乗った尾根があるが、あちらは明らかに巡視路と思われる筋が尾根上に見えている。あっちから登っても同じくらいの労力かな。その林道との合流地点は残雪に埋もれていた。

 尾根を回り込んで南側に出ると2週間前に歩いた高石山周辺が目に入る。こちらから見るとまだ雪がたっぷりと乗っているが、ここからまだ見えない三多古山はどれくらい藪が出ているだろうか。標高が低いからなぁ。1215.0m峰に立っている送電鉄塔への巡視路を左に分けるが、ここから尾根上に巡視路が続いているのだろうか。

 1190m峰東鞍部で地形図の林道分岐に到着。林道は2本分岐するがどちらも残雪の下。今回は右側の林道へ入る。尾根を回りこんで北東側に出ると雪の量が増えて林道上は雪の斜面になっているが、アイゼンやピッケルは不要なレベルだ。これがもっと残雪が多い時期だとアイゼン、ピッケルが欲しい斜度になるかもしれないが、林道の下はそれほど急斜面ではないので落ちても死ぬようなことはなさそうだ。

 さらに進んで尾根を回り込むと雪が減って平坦な残雪を歩き緩やかに下っていく。鞍部は土手のように高く造成された上に林道が付けられていて、南へ続く送電鉄塔に向けて伸びていた。

 林道が右に曲がるところで三多古山への稜線が分岐するが尾根上は全く雪が無く笹薮だった。もしかしたら南斜面に雪が残っているかもしれないと進んで見るとありました! これで最初から藪漕ぎはしなくて済んだがどこまで雪が続いてくれるだろうか。

 雪の重みで寝たままの潅木の隙間を縫って斜面を上がると残念ながら雪が消えて潅木藪の登場だ。しかし昨日の横山〜松ノ峰間の藪よりはずいぶんとマシな濃さで助かる。薄い笹が混じった藪を手でかき分けながら進むと右手に少しだけ残雪登場。再び藪に突入し、やや痩せて北側が切れ落ちた尾根を緩く登っていく。ここは僅かながら獣道らしき筋が見られたし、潅木より背の低い笹がメインで歩きやすかった。ただし北側に転落しないよう注意が必要。

 1240m平坦ピークは雪庇残骸で藪が埋まって楽々だ。その先の下りへはかろうじて雪がつながっていて藪漕ぎ回避。鞍部より三多古山までの登りの斜面は残雪が張り付いているのが見えて一安心。やっぱり雪の上を歩くのは楽だし藪漕ぎの数倍のスピードで進める。

 山頂西側直下の尾根上は雪が消えていたので、雪がつながった南側から回り込んで山頂部に到着。なだらかなピークで山頂付近はまだ残雪に覆われていた。たぶん残雪の量は50cmくらいだろうが三角点を隠すには十分な量だし、この時期の雪は締まっていて掘るのは大変だ。地形図上だと最高点に三角点があるようだが周囲に人工物は皆無だった。山頂標識どころか目印の類も皆無。林道から近いがまさに人跡未踏に近いピークのようだ。北東側に樹林が開けているが、今日は空気の透明度が悪く遠くの山は見ることができなかった。

 ゲートからここまで無休憩で3時間半以上歩きつづけたので山頂で大休止。断熱用銀マットとザックを使って雪の上で横になって休憩。今日は薄曇で日光が弱く、日向にいてちょうど良いくらいだった。昨日のような晴れだと日陰に入らないと暑かっただろう。

 さあ、また長い林道歩きの下山だ。できるだけ雪を利用して林道に戻り1190m峰東鞍部の林道合流へ。ここで考えた。往路の林道歩きよりもここから北へ分岐する林道へ入れば、尾根上の送電鉄塔への巡視路がどこかにあるはずだ。何せ往路の林道から巡視路が無かったので、残るルートはこの林道しかない。もし巡視路入口が別の場所にあっても僅かな藪漕ぎで送電鉄塔に出ることが可能で、そうすればその後は尾根上に続くはずの巡視路を利用できる。最後の方は鉄塔が尾根上を外れ東側へ下った場所にあるので巡視路もそちらに逃げるはずで、ここだけは藪漕ぎして尾根西側の往路で歩いた林道に出る。地形図を見ると林道に下りられそうな場所は946m峰の南側鞍部か。ここは地形が緩やかで尾根近くまで林道が接近しているので法面で下れないなんてことはないだろう。

 こうして往路の林道をショートカットすべく北上する林道へ足を踏み入れた。ここは舗装された林道でちょっとびっくり。雪が多いので廃林道なのか現役林道なのかは不明だ。

 1134m峰手前で林道が右に逃げるところで尾根に向かって1級の巡視路が分岐、予想通りだ。これでしばらくは尾根上を楽して進める。こんな山奥にこれだけきれいな道を作って維持するのは大変だろう。毎年刈り払いをしないとすぐ笹が生えてくるはずだ。

 すぐに巨大送電鉄塔直下に到着。しかしその先に道が無い!! そんな馬鹿な。刈り払いは鉄塔までで周囲をどう探してもその先は潅木藪だった。しかし右手下には林道が見えており、林道はまたこの尾根に接近する部分もあるので林道に下るのが得策だろう。ただ、しばし林道へは法面で下ることができず、雪が消えた潅木藪と格闘することになってしまった。

 やがて尾根の幅が広がると残雪に乗ることができ、右から登場した林道に合流。しかしこの先で林道は目的の尾根を外れて右手の尾根に逃げてしまうので林道を歩きつづけるわけにはいかない。しかし次の送電鉄塔への巡視路入口が登場、これまたきれいに刈り払われた道であった。今度こそ尾根上に巡視路が続くことを祈って踏み入れる。しかし期待は裏切られ、またしても巡視路は鉄塔まででおしまい。どうやらこの尾根上では鉄塔間をつなぐ巡視路は存在せず、林道から個別の鉄塔間に短い巡視路を付けているようだった。今までに経験したことが無いパターンだ。

 もうここまで来たら巡視路が無くても尾根上を下ったほうが早いので潅木藪に突入。藪のレベルは三多古山への尾根と同等程度で昨日よりはマシだった。ただし部分的には強烈な藪もあるのは仕方ない。尾根直上より西側が潅木の密度が低い確率が高く比較的歩きやすかった。場所によっては笹が中心でスピードアップ。藪で視界が制限され進行方向を誤らないように注意が必要でたまに方位磁石で確認する。

 960m付近はちょっとだけ杉の植林帯があり、ここは藪がきれいさっぱり無くなって格段に歩きやすかった。その先で左側に林道が見えたので自然林の藪を突っ切って1mほどの法面を下って着地。復路の尾根上コースの方が往路より距離は短かったが期待していた巡視路がつながっていなくて予想外の藪漕ぎだったため、ショートカットして得だったかどうかは微妙な結果だった。少なくとも往路の登りでこの尾根コースはやめた方がいいと思う。

 あとは単調な林道歩き。気温が上がってちょっと暑さを感じるようになったがすっきりとした晴れではなく薄曇り。ゲートに到着すると山菜取りの車がちらほら上がってきていた。

 

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